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パスポートを海外で持ち忘れて大変なことになった話の続きで完結編です。
前回までの話は下記から。
駅へ
翌朝は早くにホテルを出発した。服は昨日と全く同じで着の身着のままだ。浅い眠りしか取れなかったので疲れていたけれど、きっと電車には乗れるはずと期待をしながら、駅まで歩いた。
外は少し明るくなっていたので、昨晩よりも安心して歩くことができる。早朝出勤のビジネスマンたちの姿も見える。
駅に着き、朝食にパンとコーヒーを買った。
ちなみにチェコの通貨チェココルナには一度も両替はせずにここまで来た。今の時代、クレジットカードがあれば、ほとんど何とかなる。ドイツでは現金を使うことが多いので、ユーロの国なら現金も使うけれど、それ以外のマイナーな通貨は余ると面倒なので、極力両替はしたくない。
切符は昨晩のうちにインターネットでドイツの鉄道会社DB(Deutche Bahn ドイチェバーン)のウェブサイトから購入していた。
ドイツもそうだが、チェコの鉄道駅も改札がないので、駅の電光掲示板を頼りに直接ホームへ向かう。電車なので、ここまで人と接する事もない。朝早いので、ホームにいる人の数も疎らだ。しばらく待っていると、古ぼけた車両が到着した。
電車にて
2等の自由席の切符なので、近くの車両から車内へと入ると、コンパートメントがたくさん並ぶ車両だった。(コンパートメントがある列車を見ると、ハリーポッターを思い出してテンションが上がる!)空いていたコンパートメントに入り、席に着いた。ドキドキしながら列車の出発を待つ。
これで検札に来ない限りは、車掌さんや駅員さんとも接する事はないはずだ。これまで電車で何度か国境を越えている(ドイツからスイスやベルギー間など)が、切符の確認のみで、パスポートを求められた事はない。
列車が発車した。チェコのプラハからドイツのドレスデンまでは2時間半の道のりだ。時々スマホのGoogleマップを開いて現在地を確認する。徐々にドイツが近づいていく。車内は私の乗っている車両も数人が乗っている程度で空いていた。
1時間以上経ち、ドイツの国境まであと一駅と進んだところで、車内の通路を歩いている警察官2人組が目に入った。(背中にポリスと書かれた制服を着ている。)昨晩受けた職務質問を思い出す。
えーここまで来て・・・
もしパスポートがない事を咎められたらどうなるのだろう。こんな都市でもない田舎で降ろされたら、どうしようもない。
咄嗟にノートパソコンを開いて、忙しく仕事をしているフリをした。
私はビジネスウーマンで出張に来ているの。決して怪しい不法滞在者じゃないわ。(大嘘)
内心は仕事なんて手につかないくらい、ドキドキしていた。
警察官が徐々に近づいて来るのを横目で確認した。彼らが真横に来る。こちらをチラッと見る。
と、そのまま通り過ぎていった!
よっしゃーーーーーー!!!!!
カモフラージュが効いたかは分からないが、特に怪しい点はないと思ったのだろう。関門を一つ突破した。
チェコ国内での最後の駅を通過し、あとはひたすらGoogleマップと睨めっこだ。ドイツの国境が徐々に近付いていく。町などはなく、森の中を電車は走っている。現在地を示す青い丸の印がどんどんと動いていき、ようやくドイツの国境を越えた。
神経を研ぎ澄ましていたので、どっと疲れを感じた。でもこれで何かあってもドイツ国内。まだまだ家までは何時間もかかるが、何とかなるだろう。
そのまま何もなく、電車は走り続け、東ドイツのドレスデン中央駅に無事に到着した。
ドレスデンは過去に来たことがあり、馴染みもあったし、見慣れたドイツ語やドイツのチェーン店が立ち並ぶ様子に、心底ホッとした。
住んでいる都市まで帰るための切符を買い、少しドレスデンで時間を過ごしてから、また電車に乗り、その後は電車は遅延があったりなんだりで、住んでいる都市に着いたのは午後の3時を過ぎてからだった。
元々は普通に出勤する予定の日だったので、そのまま会社に顔を出した。このブログに書いた様に、昨日からの顛末を笑い話として同僚に披露した。
その日の道中もパソコンでメールの返信などをしていたので、普通に出勤扱いにしてもらえたし、私がパスポートを忘れたという大失敗も、バス代・電車代・宿代の合計100ユーロちょっとの自己負担と疲れた体のみで無事に解決した。
終わりに
ちょっとうっかりの忘れ物がまさかこんな事になるなんて、本当に思いもしなかった。4年以上経った今でもあの日の事は鮮明に思い出せます。一応女子なので、何事もなく本当に良かった。
皆様も海外で国境を越える際はくれぐれもパスポートをお忘れなく!
私としてはネタとして面白い話ができたし、こうしてブログにも書けるので、今となっては良かったと思っています。旅にハプニングは付きモノだしね!
まあ泊まる所もない!という経験は二度とゴメンだけど。
それでは、他にも海外ハプニングはたくさんあるので、またご紹介したいと思います!
長らくお付き合いくださり、ありがとうございました!
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